スキンケア Q&A
人間の子供達よりも、犬の方がデリケートな皮膚だということを
実は犬も人間も皮膚そのものの構造に大きな違いはありません。 皆さんは、犬は毛で全身を覆われていて動物特有の皮膚、しかも人間より丈夫だと思っていませんか?
しかし、実際は人間の方が表に皮膚が露出しているため、身体を守るために頑丈にできているのです。
皮膚は外部の刺激から体を守るための臓器です。その皮膚の表側にある犬の表皮は、人の1/3~1/5程度の厚さしかありません。 ちなみに、人間の赤ちゃんの表皮は大人の1/2程なので、犬の方がさらに薄いということになります。
愛犬のおなかの皮膚、うっすらピンクでとっても柔らかいですよね。
犬が人間よりも皮膚が薄くてとってもデリケートだということをまずご理解ください。
犬って汗をかくの?
人間は体温調節のための汗をかきます。
そしてもうひとつアポクリン線という汗線が、人間には脇の下などの一部にあって、においの元となるねっとりした皮脂を分泌します。
犬は人間と逆で、体温調節の汗は肉球と鼻のごく一部で、アポクリン線の汗腺が全身にあります。この汗腺の皮脂は、犬にとって嗅覚による個体識別のためなど、大切な機能として備わっています。
犬は人間と逆で、体温調節の汗は肉球と鼻のごく一部で、アポクリン線の汗腺が全身にあります。この汗腺の皮脂は、犬にとって嗅覚による個体識別のためなど、大切な機能として備わっています。
ただし、このアポクリン線から分泌される汗は、ねっとりとしていて皮膚にこびりついた状態で放置すると酸化(腐敗)し細菌類が増殖します。この過程で異臭が発生して犬特有のにおいがするのです。
※犬は肉球以外にも、唾液の蒸発や、季節による毛の生え代わりによって体温調節をします。
犬の汗=皮脂は、通常では
じわじわとした分泌量なのですが、
興奮や緊張、ストレスによって急激に増えたり、
病的要因による分泌異常などで過剰に皮脂量が増えてしまいます。
こうした皮脂汚れがこびりついた状態が皮膚トラブルの要因となってしまいます。
他にも犬の皮膚トラブルには、 アレルギーやその犬種の先天的特徴、日本の高温多湿で気密性の高い住環境などもトラブルの要因だと言われて います。
某タレントさんや歌手の方の地肌がきれいであると言われています。 ご本人達はスキンケアはほとんど何もしていない、ぬるま湯で顔を洗うだけと発言されていますが、肌がきれいに見える方、皮膚トラブルが少ない方はその通りだと思います。ストレスを極力排除し、規則正しい生活を送り、睡眠を適切に取り、皮膚が健康で皮膚バリア機能が正常に作用していれば、ぬるま湯の顔洗いだけで十分であるというのは理論上も正しいです。
飼い主であるわたしたちが日常的にできることは...
この犬特有の皮脂汚れを、清潔にして
トラブルから未然に守ってあげることです。
そして何よりストレスフリーな生活を
愛犬の身になって考えてあげることが大切です。
スキンケアで皮膚の健康維持
デリケートな愛犬を
皮膚トラブルから守るためスキンケアが大切です。
人間がシャンプーや洗顔、ボディソープを使う目的は、
汚れを落として清潔にしたいからですよね。
愛犬をシャンプーで洗ってあげるいちばんの目的は、
やはり人間と同じ様に汚れをきれいにして
快適に過ごせるようにしてあげるためではありませんか?
愛犬のスキンケア
女性がお化粧を洗い落とし、保湿するお肌のケアと同じように、犬のデリケートな皮膚の皮脂汚れをきれいに洗い落として良いコンディションを保つためのケアを施すことを言います。
スキンケアのタイミング
人間と違って健康な犬は毎日大量の汗をかくわけでもなくお化粧をするわけでもありませんので、日々のスキンケアは必要ありません。
犬の皮膚のターンオーバーは成犬で20日前後といわれています。(人間:約28日前後)
そのため、2週間に1回程度を目安にスキンケアをすることをお勧めします。
ただし、皮膚のコンディションがドライ気味であればこまめな保湿を、オイリー気味であれば週1回を目安にきれいに洗って、スキンケアの回数を増やしてください。
日頃からブラッシング時に皮膚コンディションを観察してあげることが大切です。
Q&Aアドバイス
Q1.パピー用のシャンプーを使った方がいいですか?
- A.
- もちろん極力低刺激であるほうが良いのは人間の製品と同じです。
またパピーに美容効果のあるシャンプーはお勧めしません。
Q2.二度洗いやシャンプーをしすぎると皮膚に良くないのでは?
- A.
- 成分的に刺激性の強い製品でシャンプーをしすぎることはもちろん皮膚によくありません。
大切なのは適切なスキンケア製品を選び、本来の目的である皮脂汚れをきれいに洗い落とすことです。
人間も髪にスタイリング剤が残っていたり、洗顔でお化粧が落ち切れていない感触があれば、
2度洗いなどしてきれいにしたいと思いませんか?
犬の皮膚についてきちんと理解してあげることが大切です。
Q3.リンスやトリートメントはしたほうがいいでしょうか?
- A.
- 被毛用の美容成分は皮膚にとっては刺激性の強い成分がほとんどです。
敏感な状態であれば使用しないほうが安心です。
使用する場合は皮膚に付着しないように気を付けてください。
人の顔に髪用のトリートメントが付着するイメージです。
ちなみに、特に皮膚が敏感な犬にはリンスインシャンプーの使用はおすすめしません。
洗浄成分が皮膚に残りやすく、トラブルになることが心配されます。